限界大学生が選ぶ!オススメ本3選

  ガッポイガッポイガッポイガッポイ

 

 私のようなぼっち大学生が心から楽しみにしているイベント・・・年に数回行われる夢のようなイベントがあります。もちろん学園祭やサークルの合宿などではありません。

 

 大学図書館の蔵書入れ替えに伴う本の無料配布」です。

 

 大学図書館の蔵書管理中に重複した本や、古くなってしまった廃棄本が無料で配布されます。この廃棄本には専門書や哲学書、ビジネス書などのジャンルを問わず多くの本があります。大抵の場合は見向きもしなかった分野や、興味のある題材の本がまちまちなのですが、極希にドンピシャで欲しかった本や心に響く本が手に入る事があります。

 最近はレヴィ=ストロースの「野生の思考」がありました。Amazonで5000円くらいする本で、要約動画などで存在を知っていたので、結構驚きました。

 

 というわけで今回は、限界大学生が選ぶオススメ本3選をご紹介します。

 

 ちなみに殆どが大学図書館の無料配布で手に入れたモノです。乞食とか言わないでください。実際そうなんで、良心に響きます。

 

その① 「愛読の方法」前田英樹

「愛読の方法」前田英樹著(2018),筑摩書房公式HPより画像引用


 タイトル通り優れた本をどのように読むかという題材の本なのですが、前半~中盤までの内容が面白い。本を読むことについて語るのではなく、文字と言語を過信する危険性を延々と語っています。ソクラテスの逸話が登場するなど哲学的な問題を呈示していながら、分かりやすい例示を用いるなどとても飲み込み易いです。

 

 我々は文化や言語を発達させてきて、その過程で過去を伝承するための手段として本が生まれたのですが、近年では言葉や文字で自身の主張や気持ちを表したり、歴史も文と歴史書で紹介されるばかりです。文字は我々の思ったことや聞いたこと、見たことの代替物に過ぎないのであって、それを過信すれば我々は退化していく。

 

 例えば、我々は炊飯器を発明したことで誰でも美味しいご飯が炊けるようになりましたが、その過程で大半の人々は「かまどの使い方」「火を持続させる方法」果ては「火の起こし方」を忘れてしまいました。文明が進歩するというのは、便利になって生活がレベルアップしている様に見えて、実は我々個人のレベルでみれば超退化している。このような文明に進歩は、これまでの伝承と継承を真っ向から否定する悪しき伝・継なのです。

 

 正しい伝承と継承が行われないのですから、量産されている売上げ第一の本やSNS、新技術をただ鵜呑みにするのは愚の骨頂と言えます。便利さを享受して自身の糧にするのではなく、便利さに甘えて退化している。それを防ぐためには過去の伝承たる本、そして真に優れた本を見極め、愛読する他に方法はない、と著者は主張します。

 

 現代に蔓延る自己啓発本・ビジネス書ブームに警鐘を鳴らす一冊です。

 

その② 「時間と自己」木村敏

「時間と自己」木村 敏著(1982),中央公論新社HPより画像引用

 

 この本はヤバいです。初見だと本当に意味が分からない。いや、今に至っても本書の内容の5割6割も理解できていないかもしれない・・・。時間とは自己。公的な時間と「こと」の時間があって、「こと」は言葉にすることで「もの」になり、それぞれ均衡を保っている。こと・もののバランスが崩れた時、我々の精神は様々な異常を来たす。

 

 非常に難解な哲学的問答が次々を繰り広げられます。そして、生は夢。「胡蝶の夢」のような死と生の関係性について、遂には時間と自己の深淵に迫っていきます。

 

 一見すると何言ってるのか分からないといった本なのですが、何度も読み返してみると、ジグゾーパズルの無くしたピースが見つかってぴったりハマるような、気持ちいい!感覚が味わえます。私は、この気持ちよさを味わう事こそが哲学・人類学の醍醐味だと思っているので、きっとこの本を生涯何度も読み返すことになるでしょう。

 

 この本は、ある意味ではそんじょそこらの酒やドラッグに引けを取らない劇物です。読む者の精神を木っ端微塵に破壊する威力をもってますが、気持ちいいですよ。さぁ、あなたも一緒に「時間と自己」キメましょう!

 

その③ 「人間の覚悟」五木寛之

「人間の覚悟」五木寛之著(2012),新潮社HPより画像引用

 巷で有名な「ひろゆき」の本ではありません。正直言ってあっちのひろゆきの言うことより面白い事が記されています。諦めとは「明らかに究める」ことであるとし、現代の上昇志向や自由資本主義を徹底的に否定していく本書は読んでいてそうだそうだ!と頷きっぱなし。きっぱりとしたものの言い様は清々しさを感じるほどです。

 

 私はこの本の中で紹介される韓国の「恨(ハン)」という言葉・文化にとてつもなく共感しました。恨(ハン)を持った人間は、やる気の糸がプツンと切れたように動けなくなり、無気力になってしまう。そしてそれは数週間で終わることもあれば、何年も続くこともある・・・。私も恨(ハン)を持っていた時期が5年ほどあります。無気力・無力感は、人や物が解決するものでなく、時間に任せる他はないのです。

 

 凶悪犯罪もたった数日で忘れ去られ、弱者は切り捨てられ、貧富の差は拡大・固定化し、まさに現世は地獄そのもの。今こそ,己の理想を捨て去って堂々と胸を張って山を下る時であり、地獄のような現実と向き合うための覚悟を決める時なのではないでしょうか。本書の覚悟のススメには、多くの人々が向き合ってこなかった人の残酷な本心があると、私は感じました。

 

おわりに

 紹介している中で気づいたんですが、これ全部新書ですね。単行本とかでもらった本もあるにはあるんですけど、新書だとAmazonとかブックオフとかで手軽に買えるので、皆さんの手に渡るハードルの低いものを3冊選んでみました。

 

 こういう本が100円コーナーに置いてあったりAmazonで1円で売ってたりすると、やっぱり皆こういうのには興味ないんかなぁと思ってしまうのですが、やはり面白いものは面白い。はっきり言えてこそ超次元軍事国家コンバインの手下というモノ。

 正直に言います。こういう本大好きです!!

 

 皆さんもオススメの本があったらコメント欄などで教えてくださいね。多分その本私は読んだことないので、ジャンジャン積ん読増やします。

 

 積ん読の多さは生きがいの多さ!

 積みプラとか積み菓子と同じです。まだまだ読み足りねェ、積み足りねェ。

 

 それでは、さようなら。

 ガァーーーーーーーーツッッPiーーーーーーー(絶命)